プロの料理職人は、材料がなければ、有る物で美味しいお料理を作ってくれました。食べログ/食べてみました グルメ感想

夕日を受けて西の雲が黄金色に染まってくると、空に向かって突き刺すように高く伸びた椰子の並木が、ここはカリフォルニアかなぁと思えるような景色に変わっていきます。

行きつけの店があれば、そこで他愛のない世間話をしながら今日の仕事の気疲れを癒したいものです。

今夜も、魚料理・寿司のかつみに来ています。

かつみに来る前にお店が空いてるか確認の電話をすると、

女将さんが、今日は何にもないですよ、と仕入れの状況を予め教えてくれました。

かつみの主人、森易司さんは、ある物を使って料理を作ってくれました。

お通しはいつもの酢の物です。山芋の短冊は、普段お目にかかれないビールのあてです。

更に、醪(もろみ)とキュウリです。奧さんは、かえって喜んでいます。

魚だけだと、ビタミンが偏るからです。

台風が近づいてるせいで、漁師は舟を丘にあげたり、船同士を縛って、台風対策をしているので、台風が近づけば、船を出す漁師はいなくなります。

台風は、近づいて、台風が通過して、台風が遠ざかるまで、波が静まるまで、海の漁は休止です。

材料に不足があっても、ちゃんと料理を作るのがお店を運営する料理人の腕です。

これがもしサラリーマン的な考えの料理人なら、食材がなければ料理は出来ないと言ってしまうかも知れません。

冷蔵庫にも、買い置きの魚は無いようです。あるのは、焼き物の焼き穴子です。

この焼き穴子を使って、ぱりぱりの海苔で巻いて食べるように工夫してくれました。

仕上げは、穴子と新香を使った巻物です。これで充分、ご馳走になりました。

かつみの女将さんは、有る物でやりくりした料理なので、うんと安くしてくれました。

2015年7月15日(木)