久宗立体農業研究所の蕨(わらび)は、別格の味わいがあります。

久宗立体農業研究所の蕨(ワラビ)は、市販されていません。縁故者だけが賞味できる、シークレットな扱いです。

久宗立体農業研究所から、今年も、岡山県津山市の久米町産の、蕨(わらび)が届きました。

神戸で市販されている、ワラビと比べると、格段に、太さ、長さ、色つやが違います。

山菜料理には、わらび、蕗(ふき)が定番ですが、わらびもフキも、野原で採取したからといって、すぐに食べられるものではありません。

昔の人は、どうして、蕨のあく抜きの方法を、考えついたのでしょうか?不思議です。

わらびのアク抜きは、薬品なら重曹、自然なものなら、灰です。

灰をまぶすか、ジュウソウを振りかけて、その上で、ワラビの上から、熱湯をかけます。

今日は、重曹と、灰の、両方を使って、蕨のアク抜きをします。

久宗立体農場研究所から送っていただいたワラビと、市販で買ったわらびを、一緒にあく抜きします。

市販のワラビは、紐で束ねて、岡山のわらびとは、混ざらないようにしています。

奥さんが言うことには、今の若い主婦達は、一つ上の世代の、お母さんおばあちゃんと、同居するか、教えてもらっていなければ、こんな面倒な、ワラビのアク抜きなんて、端からする気にならないのではないかと言っています。

つまり、家庭の伝統です。料理は、継承されるものです。

ところが、核家族になると、代々伝わってきた料理は、一旦断絶してしまいます。

断絶してしまった家庭では、新たに、自分の代で、料理を蓄積していくことになります。

その、師範となるのは、インターネットであったり、料理本、テレビを始めとする、マスコミの料理番組からです。

これらからの、継承の方法は、表面的な方法なので、奥行き、深さ、横の広がりなどは、期待出来ません。

結局、横並びの、画一的な料理方法になりそうです。

日本の四季折々の素材を生かす家庭料理や、身近なものから食材を求める家庭料理は、段々と衰退するのではないかと、心配しながら、奥さんと一緒になって、蕨のあく取りを、終了しました。

2015年4月24日(金)